オクラ納豆と新生姜|2025年8月6日 寄り道雑談ラジオ#3
- テル.浜野
- 2025.08.06
- Editor-in-chief

この記事は「寄り道雑談ラジオ#2」の配信回を体裁を整え、再編集を加えて記事化したものになります。
https://open.spotify.com/show/7j7jtapZU0bGp4i16Yvl2P?si=q9dsdCXHTc2_BJw3jMQtsw
まえがき
日常のなかで忙しさに身を委ねていると、それがひと段落した瞬間に、ふと訪れる“余白”のような時間があります。
そのとき、自分の輪郭が曖昧になってしまうような感覚を覚えることがあります。
このラジオでは、そうした瞬間にあえて立ち止まり、自分の体験やこれまでの学びをもとに、どうすれば日々を穏やかな気持ちで、自分の輪郭を保ちながら生きていけるのかを考えていくラジオです。
誰かに向けてではなく、自分に向けて語るような。
感情の整理が苦手な自分にとって、話すことは少しずつ自分の輪郭を見つける行為なのかもしれません。
そんな思いも込めながら、今日もゆるやかに始めていきます。
⸻近況:体調のことと、即時性報酬の体制づくり
こんにちは、テル.浜野です。今週もお聴きいただきありがとうございます。
2025年8月6日水曜日、埼玉県草加市の自宅から録音でお届けしています。
ここ1〜2週間ほど、体調がよくありませんでした。だるさが続き、関係各所にご迷惑をおかけしているところもあります。いまは少しずつ戻りつつあり、止まっていた手をまた動かし始める段階です。ゆっくりですが、着手を進めます。
先週の放送では、自分にとっての「即時性報酬」と「遅延性報酬」について話しました。
時間をかけて最後に得られるごほうびよりも、その場で返ってくる小さな手応えがないと動きにくい。自分には、そんな特性があるのではないか。編集や読書のように「終わりにごほうびが来る」仕事は、途中で報酬を感じにくいぶん、エンジンがかかりにくい——そんな仮説です。
そこで、即時性の報酬をこちらから意図して“設計”することにしました。
大げさな仕組みはいりません。記録をつけるだけ。数秒の入力で“いまの自分”が見えるようにしておく。それだけで、動きの支えになるかもしれないと思ったからです。
試しているアプリは、つぎの4つです。
• 筋トレメモ(トレーニングの記録)
• カロミル(摂取カロリーや消費カロリーの記録)
• 睡眠日誌(睡眠の記録)
• Timecap(読書に使った時間の記録)
どれも、入力がすぐに終わるものを選びました。
スマホの1枚目のホーム画面にまとめ、ほかのアプリは2枚目以降へ。朝は睡眠、昼は筋トレ、合間に読書……というふうに、開いて5秒で“ポン”と打ち込めば終わるようにしてあります。まだ習慣にはなりきっておらず、忘れることも多いのですが、記録が溜まってくると“積み上がり”が見える。この「見える」が、そのまま報酬になる手応えがあります。
もうひとつの調整は、スマホ画面をグレースケールにすること。
為末大さんの投稿で、夜の時間帯だけ色をなくすという話を目にしました。iPhoneのショートカット(オートメーション)で、特定の時間帯に**カラーフィルタ(白黒)**を適用。画面から色が消えるだけで、目や頭に入る刺激が減る感覚があります。寝る前にスマホを見すぎてしまう癖の抑制にも役立ちそうです。これも、効果を見ながら続けます。
体調が整っていないとき、**「記録」と「刺激を減らす」**の二つは、無理なく続けやすい調整でした。はっきりした成果を急がず、経過を見て、来週以降にまた共有します。今日はその途中経過として、ここまでの話を置いておきます。
⸻体調を崩すたびに戻る「心地よさ」――オクラ、納豆、新生姜
体調を崩したあとに、自然と戻っていくルーティンがあります。
大きなことではなく、生活の中の小さな動きです。
たとえば、近くのスーパーで地元の野菜を買う。
このあたりのスーパーにも、地元の農家さんの野菜が並ぶ棚があります。今回はオクラ、刻みネギ、納豆、鰹節を選んで帰りました。やることは簡単です。オクラを1〜2分ゆでてから刻む。納豆を3パック、鰹節と刻みネギを合わせて混ぜる。醤油をさっと回しかけ、炊いたごはんにのせる。それだけ。
味はもう、想像したとおりです。するすると身体に入っていきます。手間がかからず、でも**「作って食べた」という手触り**がちゃんと残る。自分が自分の暮らしに戻ってくるための、いちばんやさしい方法です。
もうひとつ、この時期の恒例が新生姜を漬けること。
岡山でお世話になったおばあちゃんに教わったやり方で、大きな瓶にたっぷり仕込みます。やり方はこうです。生姜を洗い、スライサーで薄く切って、1〜2分だけ火を通す。湯を切って、少し塩でもみ、大きな瓶につめる。そこへらっきょう酢と砂糖を注ぐ。3日ほどで食べられて、1〜2か月かけて味わいます。
包丁で薄く切るのがいちばんおいしい——そう教わりました。たしかに、手で切ったときのばらついた薄さは、口当たりも表情も豊かです。ただ、1キロ単位で仕込むので、さすがに包丁では追いつかず、スライサーに頼ります。瓶の中にたまっていく薄紅色を見ていると、台所で過ごす時間そのものが、気持ちを落ち着ける工程になっている気がします。
そして、久松農園の野菜便。茨城県・土浦のほうの農園から、定期的に野菜が届くサービスを利用しています。今朝も箱が届きました。まだ開けていませんが、箱を前にすると、上向かないと思っていた気持ちが、ふと上向くのに気づきます。見慣れない野菜が入っていることもあるのが楽しいところ。先月は生でも甘いとうもろこしが入っていて、とても美味しくいただきました。
野菜の箱を開ける行為は、それだけで生活の音を取り戻していく感じがします。包みをほどく、洗う、切る、火を入れる。台所の小さな音の並びが、乱れていたリズムをもう一度並べ直してくれる。自分の場合、心地よさへの回帰には、この流れがいちばん効きます。結局いつも、無意識のうちにこのルーティンへ帰っていくのだと思います。
⸻依頼への感謝と、現場に立つための態勢
仕事のことも、すこし触れておきます。
ありがたいことに、撮影のお話をいただいています。社会の課題解決に取り組む団体さんからのご相談で、以前から写真がいいなと思っていた方のご紹介でした。こういう形で声をかけていただけるのは、本当にうれしいことです。
自分は、新規の営業を強くかけていくやり方はあまりしていません。いまお付き合いのある方々と、タッグを組んで続けていく仕事が中心です。ご紹介での依頼は、その延長にあります。つながりの中で、自分の役割を果たす。その実感は大切にしています。
一方で、新規営業を強くしないのは、自分で“逃げているのでは”と感じる瞬間があるのも事実です。とはいえ、新規のお話はありがたい反面、体調を崩すことも多いので、お受けするにしても注意が必要だと感じています。
いまは回復の途中です。撮影は、現場の温度や人の気配を受け止める仕事。相手の話をきちんと聞ける心の余白、場を楽しめる身体の状態が、何よりの準備になります。疲れの残りを無視して走ると、すぐに転びます。
だから、依頼への感謝と、自分の体調を守ることのあいだに橋をかけます。どちらかを切り捨てず、両方を見る。その足場が、記録と台所です。すぐできる小さなことを、淡々と積む。その先に、現場に立つための態勢が整っていくはずだと考えています。
今週は、「先週からの大きな変化」は多くありません。
ただ、それでよしとします。寄り道なのだから。すこし長く回り道をしても、歩いていれば前に進んでいる。そう思うことにしました。今日は、無理をせず、“心地よさ”へ戻る途中で一区切りにします。
⸻おわりに
このラジオの内容は、ブログ「寄り道」でも再編集して記事として読めるようにしています。
感想やメッセージは、InstagramのDM、あるいはブログのコメント欄まで。いただいたメッセージは、来週のラジオ内でご紹介させていただくかもしれません。
それでは、また来週の水曜日にお会いしましょう。
執筆者
テル.浜野 teru.hamano
