自己特性に合わせた生活の仕組み|2025年7月30日 寄り道雑談ラジオ#2
- テル.浜野
- 2025.07.30
- Editor-in-chief

この記事は「寄り道雑談ラジオ#2」の配信回を体裁を整え、再編集を加えて記事化したものになります。
https://open.spotify.com/show/7j7jtapZU0bGp4i16Yvl2P?si=q9dsdCXHTc2_BJw3jMQtsw
まえがき
日常のなかで忙しさに身を委ねていると、それがひと段落した瞬間に、ふと訪れる“余白”のような時間があります。
そのとき、自分の輪郭が曖昧になってしまうような感覚を覚えることがあります。
このラジオでは、そうした瞬間にあえて立ち止まり、自分の体験やこれまでの学びをもとに、どうすれば日々を穏やかな気持ちで、自分の輪郭を保ちながら生きていけるのかを考えていくラジオです。
誰かに向けてではなく、自分に向けて語るような。
感情の整理が苦手な自分にとって、話すことは少しずつ自分の輪郭を見つける行為なのかもしれません。
そんな思いも込めながら、今日もゆるやかに始めていきます。
⸻「相談役」としてのAI
こんにちは、テル.浜野です。今週もお聴きいただきありがとうございます。
2025年7月30日水曜日、埼玉県草加市の自宅から録音でお届けしています。今回は、聞き手として、いつも仕事を手伝ってくれている小谷さんにも入ってもらいました。
2回目にして、すでに冒頭の言葉が少し変わりました。
ラジオのコンセプトを、自分の手に馴染む言い回しで置き直していく作業を続けています。
言葉を探す過程では、ChatGPTにも相談をしています。いま考えていること、好きな文体や作家名、温度感などを投げ込んで、言い回しの素案をもらう。そこから、語尾や呼吸を自分のものに合わせて調整していく。まだ「自分の言葉」と呼べるところまで来ていない感覚はありますが、それでも前に進む速さは出ました。まず動かす。そのあとで微調整する。ラジオの更新リズムを保つうえで、この順番が助けになっています。
AIとの対話では、文章の整え方に限らず、内省の糸口も見つけています。たとえば、自分が好きだった物語や心が動いた作品を挙げ、その共通点を洗い出してもらっています。もちろんAI側も小説なら本文まるごとを読んでいるわけではないため鵜呑みにはできません。でも自分のことを考えるきっかけはくれるので重宝しています。
未来への希望と、過去に対する痛み。そのあいだで揺れながら、社会からの責任も背に乗せて進む姿。そうした「綱引き」の描写に、自分は弱いのだと気づきます。
⸻特性を理解し、動けなくなる前に「設計」を変える
この1週間でいちばん大きかったのは「報酬」の感じ方を見直せたことです。
なぜか「即時性の報酬」と「遅延性の報酬」という言葉を多く見た1週間になりました。
これはAI相談でも、読んでいる本でも良く目にしており、今週は報酬を考える1週間でした。
脳のはたらきとして、“すぐ返ってくる小さな報酬(即時性の報酬)”と、“時間をかけてようやく得られる報酬(遅延性の報酬)”があるようです。
映像編集を例にすると、完成という「ご褒美」は作業の最後に来ます。8時間なら8時間後。読書も同じで、一冊を読み終えたときにまとまった手応えがやってくる。こうした遅延性の報酬に強い人は、過程そのものがご褒美になります。編集の途中で「ここ、はまったな」と感じられる、とか、ページをめくるごとに静かな喜びがある、とか。要は当人が報酬と感じられることがあれば良いのです。
だけど自分には、その「途中のご褒美」を感じにくい特性があるのだと思います。
というよりも今までの過程の設計においては感じにくいというのが正確な表現かもしれません。
もちろん感じないわけではなく、それが報酬と呼べるくらいに脳内で報酬化されているまでいっていないということなのだと思います。
結果として、締切の直前まで動けないことが多い。いざ座れば半日で仕上がる仕事でも、そこに入るまでが遠く、重い。
会社員時代には、目標設定やタスク管理の方法も学び、時間のブロックや生活リズムの整え方も試したことはあります。運動も続け、朝に日光を浴びることも意識したこともある。それでも、根本の「動き出し」は変わらない。
今までは、それでも「自分をコントロールする力がない」と考え、所謂一般的に良い言われている方法を試してきましたが、もうそろそろ変えないと危険だなと思うような事象も発生したために、自分の特性の把握からちゃんとしようという動機が生まれてきました。
だから初めて視点を変えてみることにしました。
「遅延性の報酬に自分を合わせる」のではなく「即時性の報酬を積み上げ式に設計し直す」
具体的には、読書であれば“本を開いた瞬間から報酬が発生する”ように設計し直せば良い。
例えば1ページ読んだらそこで小さな記録を残す、とか、時間であれば数分ごとに進捗が可視化される。とか。
どの区切り方でもいいので、ひとつ終えるごとに“いま、ここまで”が見えるようにする。報酬は小さくていい。とにかくすぐ返ってくること。これが自分のエンジンになるのだと思います。
そのためにまず始めてみるのは、アプリでの記録です。
記録をつけるだけで報酬になる仕組み。入力は5秒で終わる。数値やグラフの派手な演出はいらない。画面を開けば、今日の積み上げが静かに見えるだけでいい。今も1週間に2回程度、筋トレに行っているのですが、それが続いているのも、まさにその記録により「見える化」があるからだと気づきました。
“管理”という言葉は、自分のやる気をしぼませてしまいます。だから、管理ではなく記録。意識せずに置けるピンのような、小さな目印をたくさん打っていくイメージです。
即時性の報酬を丁寧に設計していけば、結果として遅延性の報酬に近い成果にもつながっていくはずです。やることは同じでも、踏み出す道筋を変える。自分に合った“回り道”であれば、それでいい。そう思えたことが、今週の収穫でした。
⸻受託仕事と自分の速度、場所のこと――両輪で進むために
もうひとつ、ここ数年の働き方についても、少し踏み込んで言葉にしてみようと思います。
自分は、人の表情や空気の揺れを敏感に拾ってしまうところがあります。良く言えば気がつく、悪く言えば飲み込まれやすい。その特性は、受託の仕事では強く出るように思います。どうしても相手に合わせる場面が少なくない受託の仕事が詰まっていくと、結果的に数ヶ月後にはバーンアウトしてしまう。そんなことが続いていました。
だからと言って自分のやりたいことだけをやって、社会に合わせない、という選択がしたいわけではありません。
むしろ、社会と自分の速度をどう一緒に回すか。その両輪をどう噛み合わせるかが、いちばんの課題です。
受託の仕事においては、いまは社会課題に向き合う案件が中心です。そこで役に立てることには、これからも力を入れていきたい。一方で、自分が「これだ」と感じることを、自分の裁量で進められる余白も必要です。寄り道のような、自主的なプロジェクトを育てること。規模や方法はこれから考えるにしても、そういう筋肉を使う時間をもう少し増やしたい。
その二つを、同じ道に並べて歩かせるには、道幅を広げるしかないのだと思います。
そして、場所のこと。
これはようやく経験値的にわかってきたことがあるのですが、自分は環境によってパフォーマンスがかなり左右されるということです。
特に自分は、環境音に弱いところがあるようです。都心の騒がしさや車の音が続く場所にいると、体の奥がずっと落ち着かない。思い返すと先日まで住んでいた東京の自宅の近くには高速が通っていたり、近くが大通りだったりとして常に何かしらの環境音があったように思います。
今住んでいる草加の自宅も、住宅地ですし車通りも多いため、決して静かではありません。
暮らしの場所をどう整えるか。音の少ない環境に移すのか、内側のノイズを減らす工夫を積むのか。両方の方法が必要だと思いますが、ちゃんと考える時期は近いです。
すぐには変えられないことも、仮決めでも言葉にしておけば、次に動く時の目印になります。いまはまだ、小さな種のままでも、いくつか同時にポケットに入れておきます。
⸻おわりに
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
今回の気づきは、来週以降の生活で少しずつ試していきます。まずは、記録を“感じさせない”仕組みづくりから。
うまくいったこと、いかなかったこと、そのまま話していきます。
このラジオの内容は、ブログ「寄り道」でも再編集して記事として読めるようにしています。
感想やメッセージがあれば、InstagramのDM、あるいはブログのコメント欄まで。いただいたメッセージは、来週のラジオ内でご紹介させていただくかもしれません。
それではまた、来週の水曜日にお会いしましょう。
執筆者
テル.浜野 teru.hamano
