わたしにとっての「寄り道」

連載『素敵人間計画』 くろかわじゅん

私にとっての「寄り道」

前書き

家が大好きです。

誰にも会わない、私だけの空間。
 BUMP OF CHICKENを大きな声で歌っても怒られない。
疲れて帰って玄関で寝てもいい。
トイレのドアを開けっ放しでも、何にも言われません。

だからわたしは寄り道が嫌いで、
とにかく家まで帰りたくて仕方がない。

仕事終わりにどこかに寄るなんて、
体力はどこから湧いてくるのか不思議です。



そんなわたしにとっての 
"人生の寄り道"
はどのようなものなのかを
今回は書いてみようかなと思い、
過去を振り返り始めましたが…



こりゃびっくり。



暗い過去しか出てこない…
笑顔の学生時代が一つも思い浮かびません。


家で相棒を見ている記憶。
あとは科捜研の女を見ている記憶。
友達とワイワイしている思い出はなく、
そういえば修学旅行にも行っていない。


それにしても沢口靖子ってずっと綺麗。ご飯食べてるのかな〜。
口を大きく開けて笑うことはあるのかしら。微笑み程度なのかな。なんてお上品なの!


などとネガティブな気持ちと変な妄想が襲ってきました。


こうなるともう止められず、


世の中のみんなはキラキラしてる。
みんなやりたいことやっているのかな。
でもやりたいことが見つかるのも全人口の1割ぐらいじゃないのかしら〜。
私もそっち側になりたいわ〜。

それに、
やりたいことをやっていて自分に自信ある人ってかっこいい。
でも自信を押し付けられるのは苦手なんだよな。
人に自信を誇示しないと保てないほど、本当は自分に自信がないのに、自分のために誰かを否定するなんて考えられない。


などと考え始めてしまい、


こんな風に思うわたしって、
性格捻じ曲がりすぎ!
そりゃお友達もできないわ!
ああ、きっとこのまま孤独死だわ!


と自己嫌悪へと繋がってしまったので、
とりあえず布団に入って、
シソンヌのコントを見て、眠りました。



無駄だと分かっていても悩むこの生産性のない性格…どうにかしたい〜。

大体わたしが悩みを相談しても、
「そんな他人の言葉なんか気にしなければいいんだよ!大丈夫!」と瞬殺で答えを出されて終わります。
(えぇ…そんな簡単に言うけどそれはわかっていても悩んでしまうんですよね。ん〜。)


一回この性格を100万ぐらいで誰かに譲り渡したいです。



それにしても、もやもやするな。
イライラもする。


「これはきっとホルモンバランスがおかしくなったんだわ!メンタルじゃない!ホルモン…そうよ、ホルモンのせいよ!」


などと、何の根拠がないことを翌日も騒ぎながら14時間ぐらい布団でゴロゴロしたあとに、
この投稿も書かなきゃいけないし、
いっそここに書いてしまえ!と、
トイレにおこもりして書きました。
今回はトイレのドアはしっかりと閉めました。



どうぞみなさまも
布団の中でHuluでも観ながら
YouTubeで可愛い動物でも観ながら
ビールでも飲みながら
何かしながら、この先も見ていただけたら嬉しいです。


ちなみにここには、
熱い思いなんて1つも書いていないし、
寄り道の定義なんかも全く考えていません。
だから何の役にも立たないかもしれません。けど、綺麗事と精神論かよ!と
絶望感を感じさせぬよう、
等身大のダサくて暗いわたしを記します。
ゆる〜く読んでいただけることを願います。

わたしにとっての「寄り道」

とてもびっくりしました。

多くの人が寄り道をしたことがある。人生の寄り道といえばこんなことがあったかもしれない。と様々なエピソードが出てくることに。

わたし自身は、寄り道をする余裕もないぐらい必死に、毎日を暮らしてきた気がします。

どうして必死だったのか、少し過去を振り返ると、わたしは幼稚園の頃から母子家庭で、母はわたしが学生時代に自殺をしました。母は精神疾患を患っていました。
経済的に苦しかったことはもちろんありますが、精神的には、その何倍も苦しい毎日だったような気がします。


大学へ進学したけれど、やっぱり辞めてこんなことをした。いい企業に就職したけれど、自分に合わなくて新しくあんなことをした。やりたいことを叶えられなくて、諦めてこれをした。
今思えばその道を選んでよかった。それが寄り道だったと思う。

そんな話を聞くと、
目指すものがあることや、王道と言われる人生のレールがあることがすごいなと感じます。

わたしは、学生時代に見えている世界も狭く、自分の環境と周りの環境の差に劣等感を抱いていました。
やりたいことを目指すのではなく、とにかく自分一人でお金を稼いで生きていくこと。
誰にも頼らずに自立した生活をすること。普通と言われている、社会に出て働くこと、を目指していました。
それがわたしにとっての幸せへの最短ルートであり、自分一人で暮らせるようになれば、働くことができれば、何かが変わる。苦しくて誰にも相談できない当時の環境から抜け出したい。そんな一心でした。


大学進学は、贅沢品。
やりたいことが見つからなくても、考えられること自体が余裕のある人のすること。


だからありのままのわたしの気持ちを書くならば、


どうしてわたしはこんな環境なのに、なんの苦労も知らない人たちは当たり前に大学に行けるんだろう。そしてそれをありがたいと思えないのだろう。チャレンジするハードルが低いのにどうしてすぐに諦めるんだろう。ワガママだし、ずるい。

当時はそんな風に思っていました。



でも今は、その思いは間違っていたなと思います。

いや、ごめんなさい。
それはかっこつけすぎたかもしれません…

だけど、当時のわたしの思いは、
とても自分勝手で周りのことが見えていない気持ちだったなと省みることがあります。


当時わたしからみて、恵まれているように見えた人たちも、その人たちのいるステージでのそれぞれの悩みがあることを知りました。
だから、今自分のいる場所から次に行けそうな場所に少しずつ進んでいくしかないのだと思います。


そんな風に考えるようになった今、強く思うのは、
自分の環境に納得するのは自分自身だからこそ、同じように自分の環境に悩んでいる人に対して、親は選べないんだから仕方ないでしょ。文句言ったって何にも変わらないでしょ。そんな言葉を簡単に投げかけて欲しくない。
その人たちが自分の力で納得できるような未来を描くための伴走ができる大人が増えたら嬉しいな。そしてわたしもその一人でありたい。ということです。


そしてその未来は、
テレビやスマホの画面でみる、ごく一部の人たちのような自由で満たされたものではないかもしれません。

わたしの今もそんなものです。
朝起きたくない!あと5分…もう5分…そんな葛藤をしながら、何とか起きて会社に行ったかと思えば、クレーム対応に現場仕事、営業、社員のマネジメント…歳上の社員からの愚痴に耐えられず、夜に泣く。
家で一人で転んで背中にあざが出来たり、
1Dayのコンタクトをつけたまま寝てしまい、翌日も寝てしまい、それを4日連続で繰り返して目がバッキバキになったり、
お友達がいなくてさみしくて、お人形さんをネットで必死に検索したり…
お風呂の中で腹立ったことを叫んでみたり…
こんなもんです。
これが、学生時代にあれほど強く願い、必死に過ごしてきて手に入れた未来であり、今です。
キラキラなんてしてないし、
仕事もやりたいことかどうかなんてわかりません。
でも、辞めたいとも思いません。
いま、ハマっていることが仕事なのかもしれません。

だけど、それでいいんだと思います。
どうなったかではなくて、納得できることの方が大切なのだとすれば、わたしはそれが、いいと思います。



どんなに大変で苦しくても、
それをアピールしているような人を、周りの人は助けてあげたいと思わないことを、母を横で見てきたわたしはよく知っていました。
だから、自分からはこういう話を周りの人にはしない。ずっとそう決めていました。



そして、
寄り道こそしてこなかったけど、
目的地に向かってなるべく早く辿り着けるように進んでくる間でさえも、
たくさんの人に出会って、色んなことを経験させていただきました。


わたしが素敵だな、と思う大人は、
多くの選択肢を持っていて、わたしの可能性を決めつけずに「未来」の話をしてくれました。


わたしの今は、
なんてことない会社員。そこら辺にいる"普通"の24歳。
でも、わたしにとって普通だと思えることは、ずっと目指してきた幸せです。
周りの人からみると、わたしの今は満たされていないようにみえるかもしれません。
普通でいいと妥協しているように伝わるかもしれません。
会社員なんて…と言われることもあります。
だけど、いまのわたしは結構自由だと思います。
だってこの先は、自分次第で何だって選べるんだから。


いま、そこそこ満たされています。
些細な仕事の悩みでイライラしたり、
自分の暮らし以外のことで悩めること。それも藤井風のライブに行けばどうでも良くなってしまうぐらい小さいことで悩むなんて恵まれすぎています!
決してみんなと一緒であることを優先しているわけではありません。ただ、みんなのいう個性は普通の上にあるもの。普通を手にした後に派生する個性であるような気がしています。
それなら、わたしの背景を知らない人の、普通はつまらないという価値観は、それこそ、気にしなくていいのだと思います。



そしてこの先はまた、
今のわたしが思い浮かぶことを目指してみようかなと思っています。

それが、多くの人の話を聞いて楽しそうだな…と興味を持った寄り道です。

わたしにとっての寄り道は、
やりたいことを目指す途中でふとするものではなくて、寄り道しよう!と目的としてするものになりました。

(…そうしたら寄り道じゃないかも…)

まあ、それは気付かないふりをしてもらうとして…



わたしは、素敵大人計画の一歩として、
「未来」に寄り道しようと妄想してます。
そしてその「未来」の寄り道は、
ひとりじゃなくて、誰かと一緒がいいなと思っています。



え〜


何しようかな。


思い浮かばない…




…




てか、大人計画って劇団あったな。
だから耳馴染みがよかったんだ。
素敵大人計画だと被りすぎるので、
素敵人間計画に改めます。



ん〜




ザンジバルに2週間ぐらい行きたいな〜
それで毎日海を見ながらコーヒーでも飲みたいな〜。
あ〜、オーロラも観たいんだった。

…これじゃ旅行か。



じゃあ、未来の旦那様と憧れの島暮らしもいいな〜。何にもしないで暮らしたいな〜。

…やっぱり何の変哲もないことを思いつきました。



素敵人間までの道のりは長そうです。




ここには
寄り道体験記ではなく、

「いつか寄り道してみたいな〜」

そんな願いを書きます。



(あわよくば、一緒に寄り道してくれる人も見つかったら最高だぜ!みんな、声かけてくれ!という下心が80%ぐらいかな。残りは、他に出すことのないわたしのこじらせた日常を書いてストレス発散だ!という目的です)




最後まで読んでくださった素敵人間のあなた。

あなたの未来の話を聞かせてください。

そして、私がまだ知らない
楽しくて幸せな世界をたくさん教えてね。

執筆者

くろかわじゅん Jun Kurokawa